冬の朝
寒さが厳しいですが、皆様お元気でお過ごしですか?
私は風邪は引かずに元気にやっておりますが、毎朝布団から出るのに苦労しています。
最初の目覚ましが鳴って眼が覚めると布団から出る、出ないで自分の中で激しい葛藤が起こります。
出ないで二度寝するべきだ、いきなり寒いところに出ると心臓に悪い、と主張する私に確かにもう少し部屋が暖まってから出る方が体に良いかもしれないからこっちの人が正しい!と軍配を上げようと私。
そこへちょっと待って下さいよ、やる事があるでしょ、この間もギリギリまで寝て後悔したでしょ、と理性的な私が横槍を入れる。
「確かに弁当をつくったりしないとだめだからこっちの人が正しい!」と今度は理性的な私に傾く私。
ダメ、睡眠は大事なんです、と出たくない私は続ける。実はね、睡眠というものは体だけでなく脳細胞も回復させるのです、こんな事がありました。
1959年、当時の人気ラジオDJだったピーター・トリップさんは寝ないで放送を続ける事に挑戦しました。
図1 ピーター・トリップ
タイムズスクエアのガラス張りのブースに陣取って、最初は軽快に始まったトークも大方の予想通り日が経つにつれてトーンダウンしていきます。やがて5日を過ぎた辺りになると起きているのがやっとの有様で待機してしていたドクターが気付け薬を投与。
図2 気付け薬(アメリカ人はドーナッツが大好きだ)
8日が過ぎた辺りで、もうアカンとギブアップです。その頃になると哀れなピーターは幻聴幻覚あらゆる妄想に苛まれレロレロの状態だったのですよ、かように睡眠は人間にとって非常に重要なものなのであります!「ははぁ、確かに寝不足みたいでなんだか頭が重いから、こっちの人が正しい!」とか、もにょもにょ言いながらうつらうつらと寝ていたりして。
図3 眠り(布団を敷けばそこが寝室だ。重く不自由なベットに縛られず暮らしてきたスタイルの名残。どこでも、どんな風にでも寝てやるぜ、睡眠のインプロビゼーション)
毎朝布団の中で繰り返される私と私と私の論戦。
揉める内に目覚まし代わりのラジオが鳴り響き、しぶしぶ起床するまで続くのです。
寒気と眠気、冬の朝はまことに辛いものですね。
クリタケ