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90周年記念モデル2 MEISTER KOLLEKTION BY TANGE 1932

 昨日に引き続きまして、スペシャルなモデルの御紹介です。2022年に90周年を迎えるにあたり「MEISTER KOLLEKTION マイスターコレクション」に加わった新たなモデル「MEISTER KOLLEKTION BY TANGE  mod.1932」。90周年記念でございますと言いつつ、2021年からフライングでリリース、後9カ月も待てませんよ!という訳で、早速の御紹介。

 

MEISTER KOLLEKTION BY TANGE mod.1932 GREY/PURPLE

 本日ご紹介するカラーはクリアグレー×パープルの組み合わせです。側面張りというテクニックを使って作られたツートンカラーの丸眼鏡です。

 

 MEISTER KOLLEKTION BY TANGEの文字。スタジオスカイロケットの丹下さんの手でフロントからテンプルまで、カッチリと作り込まれています。

 

MEISTER KOLLEKTION BY TANGE mod.1932 GREY/PURPLE

 レンズの横幅41㎜、縦幅38㎜、ブリッジ幅26㎜。

 

 スカイロケットのフレームと同様に芯張り手法で作られたサイドは芯金の露出がなく丈夫な作りになっております。

 

MEISTER KOLLEKTION BY TANGE mod.1932 GREY/PURPLE

 最初は作る予定が無かったこのカラーは「試しにやってみたんだけど」と丹下さんにサンプルを見せてもらって作ることになりました。スタジオスカイロケットのフレームでも使われている側面張りによるアシンメトリーな表現ですが、丸と組み合わせると新鮮な感じがします。

 

鯖江駅前に現れた怪しい軽トラ

 

 さて「1932」がどの様な経緯でこの形になったのかというところですが、最初は祖父が使っていたべっ甲の丸眼鏡をアップデートして作ろうかなどと考えたりいました。しかしどうしても良いと思える形には繋がらず、別のアプローチとして1932年、昭和七年の出来事を調べて、そこから何か取り出すことが出来ないだろうかと試みたりしてみましたがどうにもなりません。

 丹下さんに「まっとくんなはれ」と言い続けるその内に「90」が街の辻々、厠と夢の中まで現れるようになりある夜唐突に「せやっ、9に0を掛ければ0になる」と思いつきこれで行こうと決めて、枕を高くタオルケットをヘソに引っかけ眠った夜半に覚醒し「せやっ、右を9、左を0にしたらええ」タオルケットを跳ね除け、枕元の置いたアイデア帳に「9-0」と書きつけほくほくとして「シルモドール・・・」と呟いて気を失った辺りが、ストレスによる錯乱へのとば口であったのではないでしょうか。

 日々はいたずらに過ぎ、やるぞ決めた最初の気持ちが萎えかけていた頃にこんな感じだったらいいなという曲に出会いました。

 

Charlemagne Palestine ‘Beauty Chord + Voice’

 

 ミニマルなピアノをバックにして風呂場で唸るようなオッサンの声、やがてミスワカナみたいな声が現れるという美しく変な曲に魅了されました。どこか奇妙で、ストンと腑に落ちない違和感のようなものがある方が、沢山の解釈に向かって開かれ続けているようで好きなんです。じゃあ眼鏡で、どこかずれているもの、引っ掛かりのあるものってなんだろうと考えた末にブリッジに跳ねてもらい、それを受ける丸いレンズシェイプは生真面目に佇むという風景を描いて「1932」の原型が出来上がりました。それからああでもないこうでもないと悩んで、やがて「1932」のブリッジは迷いなくのびのびぐいぐいと盛り上がり、シェイプは丸々と転がっていきました。

 

つづく・・・

 

 

クリタケ

 

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