神戸 三宮 センター街  メガネのマイスター大学堂
メール
神戸 三宮 センター街  メガネのマイスター大学堂 大学堂について 店舗案内 商品案内 アクセス 問い合わせ 鴨居玲について リンク
マイスター大学堂について
マイスター大学堂について
マイスター久利を祝す
谷川浩司さん
俵万智さんから
ドイツのマイスター

 将輝くんがマイスターの資格を取るためにドイツに向かったのは1996年、震災の年の翌年1月の事である。
 「他に選択肢がなかったので」とその時の事を振り返るのは、将輝くんらしい照れに違いない。
 マイスターの資格を得るには十年かかる。大学を卒業した二十二歳という年齢は、それを考えると若くはない。加えて、見知らぬ土地での生活。震災から復興半ばの神戸の土地を離れるのには、相当な覚悟が必要だったはずである。
 律儀な将輝くんは、日本に戻るたびにわざわざ挨拶に来てくれたが、三年ほど経った頃からか、将輝くんの表情に余裕ができ、そして優しさと逞しさが感じられるようになってきた。ドイツでの充実した生活がそうさせるのであろう。これならきっと大丈夫、と家族で話し合ったものである。
 好きな事や自分のやりたい事を見つけたとしても、それで一人前になるためには、やはり十年程度の勉強が必要ではないだろうか。
 将棋の世界にも、プロ棋士の養成機関、奨励会という制度がある。未来の名人や竜王を目指して、毎年約百人が奨励会の試験を受けるが、合格するのは三分の一。そして奨励会に入れたとしても、一人前の四段になれるのはその約二割。私自身も、将棋を覚えてから奨励会を卒業するのに約十年かかった。
 十年という年月は、技術を学ぶだけでなく、それが本当に自分に合ったものかを見極めるためにも重要だし、一つの事を地道に積み重ねてゆく根気にもつながり、さらには人格形成にも必要な期間なのだろう。
 日本で二人目の眼鏡マイスターとなった将輝くんに心から敬意を表するとともに、今後の御活躍を願っている。

日本将棋連盟会長 谷川 浩司
このページの先頭へ
サイトマップ このサイトについて ルール